司法書士 長部教考のトラブル解決 トラの巻

お金の貸し借り

「お金の貸し借り」

今回は、「お金の貸し借り(金銭消費貸借契約)」をテーマにキーワードを簡単にご説明させていただきます。

友人や知人、恋愛関係にある相手とは金銭の貸し借りは行わないことがトラブルに巻き込まれないための最良の方法です。もし、貸すとしても、返してもらえないことを承知の上で貸すこと、返してもらえなくても良い金額だけしか貸さないことです。

1.借用書(金銭消費貸借契約)

もし、どうしても貸さなければならない状況に至ったときには、必ず、借用書を書いてもらいましょう。既に貸してしまっている場合は、今からでも遅くありませんから、お金を借りていることを認める書類を書いてもらって下さい。
メモ用紙や名刺の裏でも構いません。いつ、誰が、誰から、いくら借りたかが明記されていれば借用書になります。返済方法も書かれているのが望ましいですが記載されていなくても構いません。

2.貸し金の回収

貸し金を返してもらえない場合の回収方法は、その他のお金の請求と同じです。話し合いで解決できない場合は、調停や支払督促、訴訟を提起するなどして、なお、支払ってもらえない場合には、強制執行手続をとることになります。貸した金額が60万円以下の場合には少額訴訟手続を利用することもできます。
裁判所を通じて手続をとるに際して、借用書が無く、貸した事実を証明できない場合は、相手が借りたことを認めない限り、勝訴することは困難です。
また、いくら勝訴判決をもらっても、相手に財産がなければ回収することはできません。

3.利息制限法

利息制限法では、金銭の貸し借りにおける利率が、次の利率を超えるときは、その超える部分につき無効になると定めています。約束どおりに支払わない場合の利率は、次の利率の1.46倍を超えるときは、その超える部分につき無効になると定めています。

元本が10万円未満の場合 年20%        (×1.46=29.20%)
元本が10万円以上100万円未満の場合 年18%    (×1.46=26.28%)
元本が100万円以上の場合 年15%        (×1.46=21.90%)

4.少額訴訟

少額訴訟手続とは、60万円以下の金銭の支払を求める場合に限って利用できる、簡易裁判所における特別の訴訟手続です。この制度は、簡易迅速に紛争を処理することを目的として設けられた制度ですので、通常の訴訟手続とは異なる次のような点があります。

(1)裁判所は、原則として、1回の期日で審理を終えて、即日、判決をします。従って、すぐに確認できる証拠が必要であり、確実に証拠になるものがない場合には適しているとはいえません。

(2)訴えられた人(被告)は、最初の期日で自分の言い分を主張するまでの間、少額訴訟手続ではなく、通常の訴訟手続で審理するよう、裁判所に求めることができます。

(3)少額訴訟手続によって裁判所がした判決に対して不服がある人は、判決又は判決の調書の送達を受けてから2週間以内に、裁判所に対して「異議」を申し立てることができます。この「異議」があったときは、裁判所は、通常の訴訟手続によって、引き続き原告の請求について審理を行い、判決をしますが、この判決に対しては控訴(この場合は地方裁判所に対する不服申立て)をすることができません。

少額訴訟手続においても、通常の訴訟手続においても当てはまることですが、被告が最初の口頭弁論期日に出頭せず、かつ、訴えた人(原告)の主張を争う内容の書面も提出しない場合には、被告は、原告の言い分を認めたものとみなされ、裁判所は、原告の言い分どおりの判決をすることができます。

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